さくランド的プレーパーク(冒険あそび場)づくりに取り組む意義
子どもをとりまく環境が大きく変化しています。
少子化による人口構造の変化は、将来の社会状況に深刻な影響を与えるばかりではなく、今すでに、子どもたちの環境にかってない大きな変化をもたらしています。
自然発生的な子どもたちの集団は、地域社会から消え、子どもがさまざまな大人に接する機会は、核家族化によって減少し、子どもは社会の少数派になりつつあります。また、子どもへの虐待や育児放棄、青少年の不登校やひきこもり、凶悪犯罪の低年齢化など、新たな社会問題が現れており、家庭や地域社会の変質や崩壊がその要因の一つにあげられています。
週5日制となり、子どもたちの放課後の過ごし方は、習い事や学習塾などの占める時間が増えるなど大きく変わり、地域社会が子どもたちをどのように受け入れることができるのかが課題になっています。
地域における子育て支援として、地域において児童が自主的に参加し、自由に遊べ、安全に過ごすことができる放課後や週末などの居場所づくりの推進。
プレーパーク(冒険あそび場)の社会的な意義
自分の責任で自由に遊ぶをモットーにしています。
地域の人や*プレーリーダーに見守られた、家庭と学校以外の居場所の役割があります。
子どもたちの遊ぶ環境づくりを通じて、支えあうことのできる地域住民へと、大人も子どもも、育ちあいます。
地域住民と行政との協働事業やNPOへの事業委託など、新しい事業展開が生まれます。
土・火・水や手づくり遊具などを使った多様な遊びの体験ができます。
乳幼児から青少年までの幅広い世代が、遊びを通して縦社会を形成し、世代間交流を促します。
大人も野外で楽しい時間を過ごすことができ、仲間が広がります。
高齢者福祉や環境保全など、地域社会の課題への気付きります。
様々な人が関わることによって、地域活動の活性化や人材発掘、世代交代がはかれます。
子どもが参加・参画して、つくりかえていくことができます。
親たちは子育ての悩みや地域の情報などを語り合えます。
子育ては親だけが担うものではなく、地域で担うことが大切だと実感できます。
まちづくりや行政と住民とのパートナーシップについての関心が広がります。
*プレーリーダーとはプレーワーカーとも呼ばれ、最も子どもの視線に近い立場で遊びに関わる大人です。
子どもの興味を引き出すような遊び場づくりに取り組み、子どもと一緒に思い切り遊び、子どもたちから信頼を受ける存在でもあり、時には相談相手になることもあります。
常に変化する遊びに応じて、注意を払い、子どもに声をかけ、ケガやトラブルにも対応します。
遊びは子どもの生活に不可欠なものです。
遊びは、子どもが生きていく上でなくてはならないものです。
子供は暇な時に何もすることがないから遊ぶのではありません。
遊びは本来子どもの生活そのものなのです。
遊ぶ権利 国連子ども権利条約第31条(政府訳) 締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクレーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に参加する権利を認める。
締約国は、児童が文化的及び芸術的な活動並びにレクレーション及び余暇の活動のための適当かつ平等な機会の提供を奨励する。
ユネスコ、ユニセフの諮問団体、子どもの遊ぶ権利のための国際協会(IPA)では、遊びを次のように説明しています。
・ 遊びは、基本的に必要な栄養・健康・保健及び教育に加え、すべての子どもの潜在能力を発達させるために、不可欠なものである。
・遊びは、本能的なものであり、自発的なものであり、かつ自然に起こるものである。それは、生まれながらのものであり、探求的なものである。
・遊びは、コミュニケーションであり、自己表現であり、思考と行動を結びつけるものである。
・遊びは満足及び成就感をもたらすものである。
・遊びは生活全ての側面にとって重要である。
子どもは遊びを通して、心身や情緒を成長・発達させ、また、社会性を身につけるものである。
プレーパーク(冒険あそび場)は子どもが遊びをつくるあそび場です。
やりたい気持ちが遊びの始まりです。
子どもがのびのびと思い切り遊べるように禁止事項をなくし、やりたいと思ったことをなるべくなんでもできるようにします。
子どもの安全は守られるべきですが、スリルを味わい冒険や挑戦をするという要素があるからこそ、遊びが楽しいのです。
子どもは経験の中で、危険を察知し、自分で能力に見合った選択ができるように学んでいきます。
安全を考えトラブルを避けて遊び場がつまらなくならないように、大人の勇気も必要です。
行政と住民がパートナーシップを築く
住民が運営し、行政が施策に位置づけてバックアップしていくことが大切です。
行政が担う役割
継承性
社会的な意義を尊重して継続させる。 活動の場が確保されてスタートし、子どもたちに支持されることにより安定期に入ります。
信頼性
信頼される公のあり方を継承する。 社会的な課題である子ども達の居場所づくりには、様々な立場の機関が取り組んでいます。信頼の寄せることのできる行政によって子どもたちの日常の生活環境である遊びの場が確保される事は大変意義ののあることです。
公平性
すべての人が遊び場の存在を知り利用することのできる状況をつくる 自治体事業として位置づけられた場合は、どこに遊び場があってどのような活動ができるのかという情報を多くの人に伝わるように発信される必要があります。また、障害を問わずに幅の広い年齢層が遊ぶことができるような状況を作り出し、公平性の配慮を図ります。
住民の役割
子育ての力
子育て中の住民の主体的なパワーを発揮する。
子どものいる家庭にとって、遊び場は欠くことのできない生活の場所です。
魅力的で安心できる遊び場であって欲しいという願いは切実なものです。
こういう環境づくりには、自らが持っている知恵と労力も提供していきたいと意識を持つ住民も少なくないことを理解して、住民と連携した遊び場づくりに取り組むことが大切です。
行政と住民のパートナーシップ
現況認識と目標の共有
子どもたちやその生活環境の現状、将来像を住民と共有する。
意欲や行動力のある住民と遊び場づくりに取り組んでいくために、地域における子どもの現況に関する勉強会や遊び場づくりの意見交換会を開催して学び合うことも有効です。
住民は地域の事情に詳しいだけでなく、問題意識を持つ住民同士が、同じ立場で地域の将来を考えて進んでいくことができます。
支援施策の工夫
住民の実情に応じた支援策工夫して施策に位置づけること。
遊び場に対するニーズや運営体制づくりでの住民との連携の可能性の把握などには、住民との意見交換は欠かせません。
地域と共に遊び場づくりに取り組むためには、地域の住民が果たしうる役割と行政に期待されている事柄並びに貢献できうる点を整理しながら行政の支援施策を工夫していくことが大切です。
連携体制の工夫
円滑な施策運用ならびに長期的な変化を展望した連携体制を工夫すること。
行政に期待される支援策としては、公園利用などに関する許認可や資金提供などが考えられます。
具体的に行政は、事故や苦情といった想定されるリスクの軽減、運用資金の確保、建設から運営に至るまでの多方面にわたる技術力などの面での要請に応じることが求められます。したがって従来の様に担当課の中だけではなく、庁内の複数部署間連携、NPOや中間支援組織の参画、あるいは子どもの遊び環境への貢献を組織のアピールとしている企業の参画なども想定して、経年的な変化も視野に入れながら様々の機関との連携体制を工夫していく必要があります。
地域づくりの力
子どもを含めた地域力の向上といった住民のまちづくり意欲を発揮する
地域の安全・安心の確保に向けた取り組みや、町の賑わいづくりに子どもたちはとても大きな役割を果たしています。
子供たちの歓声は地域に活力を生み、子ども会やPTAなどは地域のコミュニケーションを育むきっかけとなります。
地域づくりに取り組む住民の活力は、子どもの遊び場づくりにも展開される力強いエネルギーです。
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